ダウンタイム中の「腫れ・むくみ」について

脂肪吸引後のダウンタイムで心配になる症状「腫れ・むくみ」
せっかく脂肪吸引したのに「細くなるどころか太くなった?」と思ってしまう症状です。

脂肪吸引の施術を行ったの部位が一時的に腫れたりむくんだりすることによって、効果に不安を覚えられる方がいらっしゃいます。
気になる部位が物理的に肥大化しているのでその気持ちもよくわかります。
ラシックスなどの利尿剤の服用についても「日常生活での注意事項」で解説していますのでご覧ください。

ダウンタイム期間中のは症状と原因、その理由を知った上で正しい対処を行う事が重要です。
ここではそんな「腫れ・むくみ」について解説していきます。

腫れとむくみの原因と症状の違い

腫れやむくみの症状が出る期間には、こう不安に思う方も少なくありません。ただ、腫れとむくみは全く違うものです。

ダウンタイム中の腫れ・むくみ

“腫れ”の原因と症状:

手術部位の炎症により、熱っぽく感じられる症状。
一般的に、むくみよりも腫れの方が問題視される傾向があります。

その理由というのも、”腫れ”は血液中の成分が血管の外に溜まってしまう事で、部分的に肥大化したものを指します。
このように表現すると、血液中の大事な成分が血管の外に出てしまって大変な事が起こっているように聞こえるのではないでしょうか。

“むくみ”の原因と症状:

血液循環が妨げられ、体内の水分が排出されにくくなっている状態。手術部位を中心に水分が停滞し、ふくらむ症状。
一般的には腫れと比較して、むくみの方が軽度な印象です。
“むくみ”とは水分をたくさん摂取して、体の中に溜まってしまう事で膨れた状態を指します。

ダウンタイム期間中は水分の過剰摂取ではなく、水分の排出処理が上手にできない為に、むくみが起こります。
お酒を飲み過ぎた次の日に、顔や手、足がむくんでしまった。などよく聞く状況です。特に末端に現れることが多い為、顔や手足で実感することが多いです。

「腫れ」と「むくみ」のケア方法の違いは?

腫れのケア

「腫れ」は1週間ほどで自然にひくものですが、より早く収束させるにはアイシングが効果的です。
患部の熱を冷やすことで炎症が早期に収まります。痛みやかゆみも緩和される為、アイシングはダウンタイム期間中のおすすめ対処方法です。

ダウンタイム中のアイシングについては、下記の記事で詳しく解説しています。

むくみのケア

「むくみ」対策としては血行の促進が有効です。そのために、マッサージや保温、こまめな水分補給などを行いましょう。
特に冷え性や、偏った食生活の方はむくみやすい傾向がありますので、注意が必要です。

太ももの脂肪吸引後2日目
情報提供ブログ(太もも2日目)

【術後1週間まで】
手術直後の1週間適度は、専用のストッキングやボディスーツを着用して圧迫します。締め付けると血液の循環が悪くなり、余計にむくむのでは? と思われるかもしれませんが、適度な締め付けは血液の循環を促進させます。圧迫しない状態では、膨張する風船と同じように、周囲の組織に水をため込むだけ。適度な刺激を与えましょう。

※圧迫の期間に関しては、医師の間でも見解が分かれるところです。またご状態によっても変わってきますので、まずは主治医の先生とよくご相談ください。

【術後1週間以降】
術後1週間が経過したらできる範囲で少しずつ、血流改善のため運動を始めてください。
ストレッチやマッサージも効果的でしょう。

ダウンタイム中のマッサージについては、下記の記事で詳しく解説しています。

日常生活での注意事項

アルコールはむくみを増大させます。
また喫煙による血管収縮は血行を悪化させ、これもまた、むくみ改善の妨げになります。
脂肪吸引のダウンタイムには禁酒と禁煙を心がけてください。

眠るときは心臓より高い位置に手術部位を保つように心がけます。
心臓よりも低い位置に施術箇所がある場合には血流が停滞しやすく、むくみが解消されづらいです。

利尿剤の服用

むくみなんて利尿剤ですぐにとれるんじゃないの?と思われる方もいらっしゃいますが、
利尿作用による、ダウンタイム期間中の脱水症状は極めて危険です。
炎症が収まらない・内出血が引かないなど他の症状を悪化させてしまうこともあります。

そもそも水分の過剰摂取でむくんでいるわけではないので、水分が余っているわけではないのです。脂肪吸引で組織間に空洞ができてしまった為に、一時的に埋めようとしているのです。
そこで無理に利尿剤に頼ってしまうと、思った効果効能とは異なる結果につながることもあります。
クリニックで処方されるラシックスや市販のルプラックなどが、むくみの解消に効果的とされていますが、利尿剤には利用上の注意もありますので、安易に服用する事はリスクを伴います。
必ずスタッフに相談してから服用しましょう。

「水がたまる」と「むくむ」の違いは?

腫れとむくみの違いについて解説してきましたが、よく似た言葉で「水がたまる」というものがあります。
「水がたまる」とは、脂肪吸引で脂肪を除去することでできる空洞に浸出液や麻酔液が溜まることです。一方、むくみとは、脂肪吸引でできたスペースにリンパ液や体液がたまる状態を指します。
※脂肪吸引後の「水が溜まる」とよく聞く「膝に水が溜まる」は異なるものです。

両者の違いは、自然に吸収されるか否かです。
溜まった水は自然に吸収されませんが、むくみは自然に吸収されます。
ですから水が溜まった場合は、「水を抜く」対処をしなければいけません。
多くのクリニックでは術後に水が溜まらないような工夫もされています。

当院の場合は、

  • 術中からドレーンで水抜きを試みる
  • 手術の最後に麻酔液をしっかり絞り出す
  • 来院が可能な方は、傷口の縫合をあえて翌日に行う

などの対応を取っています。

脂肪吸引後の水抜き

脂肪吸引後どうしてむくむのか?

むくみの端的な理由は大きく二つあります。

1. 皮下脂肪があった場所に隙間ができるから。

脂肪を取り除いて隙間ができると、それを埋め合わせようとして体液(血液やリンパ液など)が染み出してきます。その結果スペースに水が溜まって、むくみの症状が出てきます。

2. 脂肪吸引の影響で血管やリンパ管が傷つくから。

脂肪吸引では、皮下組織に管を挿入して、これをあちこち動かしながら満遍なく脂肪を吸い出していきます。その際、どうしても微細な血管やリンパ管を傷つけてしまうので、術後には血液やリンパ液が漏れ出てきます。

腫れやむくみはいつまで続くのか?

腫れのピークは術後3日目くらい。1〜2週間もすれば落ち着いてきます。
むくみのピークは術後1週間ごろ。
2週間から1カ月程度で落ち着いてきます。このあたりは、脂肪を除去した量や体質などの影響も受けます。

むくみやすいのはどんな時?

次のような場合はむくみやすくなります。

1. たくさん脂肪を取ったとき

理由は単純で、
たくさんの脂肪を取る→組織間のスペースが大きくなる→溜まる水の量が多くなる
からです。
3200mlの脂肪吸引
情報提供ブログ(太もも2日目)
上記画像では3200mlもの脂肪吸引をおこなったものです。
上澄みのオレンジ部分が脂肪
下が麻酔液とその他の注入液です。

これほどの量を太ももから吸引するとなると、非常に大きな組織間スペースができることが想像できます。
ご自身の太ももからこの量の脂肪が消えたと想像していただけると分かりやすいかと思います。

顔の脂肪吸引では脂肪吸引量が少ない為、必然とこのような組織間スペースが大きくなりづらい傾向が見受けら、むくみにつながりづらい結果となります。

2. 脂肪の周辺組織に与えたダメージが大きかったとき

周辺の組織のダメージが大きいと、浸出してくる液体の量が増えます。この結果たくさんの水が溜まるので、むくみ症状もひどくなってしまいます。
脂肪吸引時に周辺組織へのダメージを抑える為に施術方法を選択することも重要です。

下記のような「ベイザー脂肪吸引」では、ダウンタイム中の症状を抑えられるメリットなどがあります。

むくみが長引く人とそうでない人の違いは?

むくみのせいで溜まった水分はどうなるかというと、時間とともに吸収されます。
いつまでたってもむくみが引かない人というのは、単に吸収される量よりも、染み出してくる水の量の方が多いからです。
染み出してくる水の量が多くなるのは、脂肪吸引量が多かった時や、周辺組織のダメージが大きいときです。

むくみがさほど長引かなかったという人は、おそらくあまり脂肪を取らなかったか、周辺組織が傷つかないように上手に脂肪吸引されているかのどちらかだと思います。
この他に体質的なこととして、普段から冷え性の方は、むくみが比較的長引きやすいと言われています。

むくみは防げない?

脂肪吸引という手段を取っている以上、むくみはどうしても避けられないものです。
できることは、いかにしてむくみを最小限に抑えるかということに尽きます。
そのためには、周辺組織を傷つけない方法で脂肪吸引を行うことが大切になってきます。
具体的には、先述で紹介したベイザー脂肪吸引など、超音波で脂肪を液状にしてから吸引する方法であれば被害は少なくすみます。

ベイザー脂肪吸引の仕組み
ベイザー脂肪吸引のメカニズム

「むくみ」が出やすい場所は?

総じて下半身に出やすい症状と言えます。具体的には膝やふくらはぎなどです。これは重力の影響によります。痛みはないのですが、動きにくいと感じます。

腫れ、むくみ、水溜りに関するよくある質問

Q. 溜まった水を放置するとどうなりますか?

細さを実感できないので、もし水が溜まってしまった場合は抜いてもらうようにしてください。
ただ、脂肪吸引になれた施設なら、そもそも水がたまらないように対応します。もしこれから施術を受けられるのであれば、そのあたりの配慮について、あらかじめ確認しておかれると良いでしょう。

Q. 腫れやむくみは目立ちますか? 隠せるものでしょうか?

腫れやむくみは落ち着くまでに2週間から1カ月程度かかりますので、その間は肌をなるべく露出しない、ゆったりした洋服を選んでいただくのが無難です。
太ももやふくらはぎなど、下半身を脂肪吸引した場合は足の甲にもむくみが出ることがあるので、バレを気にされるようでしたら履物にも気をつけてください。バレないことを重視されるのであれば、厚着が不自然でない冬場に施術を受けられることをお勧めします。

「腫れ・むくみ」に関するお悩み相談

太ももの脂肪吸引後、3日経ちますがひざ下がかなりむくんで心配です。

術後3日とのことなので、ちょうどむくみがピークの状態かもしれません。

脂肪吸引後のむくみは上半身よりも下半身に出やすく、長引く可能性も高いです。また、重力の影響により、太ももの脂肪吸引を行った場合であっても膝にむくみが現れることは少なくありません。伺った情報からすると一般的な経過と思われますので、まずはご安心ください。今後の経過が気になるところかと思いますが、この点は脂肪吸引の施術法や体質によって個人差が出ます。一般的には1、2ヶ月程度で落ち着くとお考えください。むくみが辛い場合は、専用のストッキングやボディスーツを着用して患部を圧迫してください。適度な締め付けは血液の循環を促進させます。そのほか、少しでも足を上げておくという方法も、簡単で、楽にできる方法のひとつです。術後1週間を過ぎればウォーキングや入浴、ストレッチなども効果的です。

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術後2ヵ月ですが、体重が増えました。むくみの影響でしょうか?

おっしゃるとおり、むくみによるものと考えられます。

むくみとは、脂肪を取り除いてできた隙間に血液やリンパ液などの体液が染み出すことでおこる症状です。この時、脂肪より重い水と置き換わることになるため、術後、一時的に体重が増加する場合があります。個人差もありますが、通常、むくみの症状は術後1,2ヵ月前後で落ち着くため、以降は体重も自然に落ちていくでしょう。3ヶ月以上経っても症状が落ち着かない場合は、浸出液や麻酔液など水がたまっている恐れもあります。この場合、これらの水は吸収されませんので水を抜く必要がありますので、主治医の先生にご相談いただくことをおすすめいたします。

下半身の脂肪吸引後、むくみを軽減するために利尿剤を内服しても良いのでしょうか?

利尿剤は主に高血圧症や心性浮腫、腎臓浮腫などの治療に使われる薬であり、むくみを和らげる作用がある薬です。

しかし体の状態によっては服用してはいけない場合もあります。自己判断で服用してしまうと、重大な副作用などが起こる可能性も否定できません。脂肪吸引の術後に利尿剤を使用したい場合は、使用前に必ず施術を受けたクリニックにご相談ください。

術部に水がたまった際、そのまま放置するとどうなりますか?

細さがなかなか実感できなかったり、術後増加した体重が減らないといった状態となります。

通常のむくみの原因はリンパ液などの体液であるため自然に吸収されることでむくみは治りますが、体液以外の浸出液や麻酔液が溜まってしまった場合は水を抜かなければ吸収されません。多くのクリニックでは術後に水が溜まらないような工夫がされているため非常に稀ではありますが、脂肪吸引後に手術部位に水がたまる場合もあります。なお、水がたまるのは、通常、術後1週間など早期であることがほとんどです。不安があるようでしたら、術後、アフターケアをかねた診察を受けていただくことをおすすめします。

腫れやむくみは目立ちますか? 隠せるものでしょうか?

腫れやむくみは落ち着くまでに1、2カ月程度かかりますので、その間は肌をなるべく露出しない、ゆったりした洋服を選んでいただくのが無難です。

太ももやふくらはぎなど、下半身を脂肪吸引した場合は足の甲にもむくみが出ることがあるので、履物にも気をつけてください。バレたくない、周りに隠したいとお考えであれば、厚着が不自然でない冬場に施術を受けられることをおすすめします。

脂肪吸引完成までのタイムライン