ダウンタイム中の「あざ・内出血」について

脂肪吸引後のダウンタイムといえば「あざ・内出血」です。ダウンタイム中の症状の中でも、最も範囲が広く痛々しく視覚的に訴えるものがあります。
「あざ・内出血」の範囲は脂肪吸引箇所以外にも広く及び、ダウンタイム期間中に移動していきます。
太ももやお腹などの脂肪吸引量が多い箇所では、恐らくご自身の体表面上に現れる、人生最大級あざ・内出血の症状となるでしょう。
クリニックからまったく知らされていない状態という事はあり得ませんが、ある程度の知識を持って想像しておく必要があります。

あざ・内出血の原因

周辺組織の損傷

あざの原因は内出血。内出血の原因は脂肪吸引時の周辺組織へのダメージです。
脂肪吸引はストロー状のカニューレと呼ばれる器具で脂肪を吸い出す施術です。その際周辺組織が破損する結果となります。
脂肪吸引量が多くなれば比例して周辺組織へのダメージも増える為、内出血の症状も強く現れます。
太ももの内出血
情報提供ブログ(太もも3日目続)

周辺組織へのダメージを軽減する施術方法もありますが、完全に内出血を抑えて“あざ”にならない施術方法は現状ありません
下記で紹介する「ベイザー脂肪吸引」では特殊な超音波で脂肪のみを遊離させてから刃のないカニューレで脂肪細胞を吸引する為、極力周辺細胞にダメージを与えない配慮が行われています。
ダウンタイムの軽減が期待できる「ベイザー脂肪吸引」

あざ・内出血の傾向と期間

内出血が見られるのは術後2週間

内出血は術後2週間ぐらいの間に見られます。近い将来水着になる必要がある、結婚式が控えているなど、どうしても間に合わせたい事情がある場合は、回復までの期間を逆算して施術を受けるようにしてください。
なお、症状は上半身より下半身の施術を行なった時の方が長く出続けます。

普段から冷え性の人はむくみが起こりやすいです。
むくみ・冷え性・内出血で一見関係なさそうにも見えますが、実はどれも関連性が高く改善方法も類似しています。
健康な方であれば血流は正常で代謝が良い状態が保たれていますが、冷え性の方は体内の水分が停滞するために”むくみ”が起こります。
内出血も同様に体内の水分が停滞することで症状が長期化する傾向が見受けられます。

ダウンタイム中の「腫れ・むくみ」について

内出血は術部より下に現れる

内出血は術部より下方に出やすいですが、これは重力の影響です。
お腹に施術した場合は恥骨部分周辺、太ももの場合は膝のあたり、ふくらはぎだと足の裏まで及ぶこともあります。

下記画像は太ももの脂肪吸引3日目で足の甲まで浮腫みが現れて内出血が降りてきた事例です。
足先まで広がった内出血
情報提供ブログ(太もも3日目続)

顔の内出血の特徴

顔に関してはほとんど目立ちません。内出血が出たとしても顎の下などの正面からは見えない部分であることが多く、出たとしてもコンシーラーで隠すことができるレベルです。
モニターの方に行ったアンケートによると、多くの方は、術後3日間はマスクを着用し、4日目以降はマスクなしでも周囲に気づかれなかったと回答されています。

顔の脂肪吸引の術後経過

お腹の内出血の特徴

お腹の脂肪吸引をした時は、上腹部、おへそ横、鼠径部に分かれて内出血が見られます。少し異様な感じなので驚かれる方もいらっしゃるのですが、これは皮下脂肪を上中下に分けるパーティションの膜があるためなので問題ありません。

対処法のカギは血行促進

内出血を早く消すことは、実を言うとなかなか難しいです。できるだけ多くの酸素と栄養を体じゅうに運べるように、血行を促進させることで多少緩和されます。
マッサージや保温で血行を促進し、滞った血を流すことであざ・内出血の症状を早期に消退させることが期待できます。

あざ・内出血を緩和するセルフケア

術後7日間はアイシング

内出血は、基本は患部を温め、血流を促進させることで緩和しますが、術後7日目までは冷やす方が効果的です。
アイシングには下記のような症状の緩和も期待できるため是非利用したい対処方法です。
炎症緩和・内出血緩和・痛み緩和・腫れ予防とダウンタイム中にみられる症状の多くに該当します。

氷嚢(ひょうのう)がおすすめ

氷のう
具体的なアイシングの方法ですが、基本的には氷嚢がおすすめです。
氷を袋に入れてからできるだけ空気を抜いて使用してください。水は熱伝導率が高く、氷に触れ続けることで水温が常に0℃近くに保たれます。
なぜこのような手作りで面倒なアイシングをお勧めしているのかというと、下記のような市販のアイシング系アイテムでは弊害があったり、ダウンタイム中の内出血を抑えるためのポイントを満たせないからです。

アイスノンはお勧めしない

よくあるアイシング系アイテムでアイスノンがありますが、こちらは内包されているジェルが−16℃まで下がる為、長期間の利用で凍傷を引き起こします。

シップなどの張るタイプはお勧めしない

シップなどの張るタイプのアイシング系アイテムでは皮膚表面の温度を下げることはできますが、期待値は低く-3度程度です。
張るタイプのアイシング系アイテムは表面温度を下げることはできますが、深部まで効果が及ばない事が多い為お勧めできません。

簡単に利用できて行動制限も少ない為に選択しがちですが、脂肪吸引後は皮膚が非常にデリケートな状態です。普段は問題ないような貼るタイプの粘着物質に過剰に反応してかぶれを引き起こすこともあります。

術後7日目以降は血流改善

術後1週間が経ったら、体を温め、血流を促すケアにシフトしてください。
具体的には

  • 湯船にゆっくり浸かる
  • マッサージを行う
  • 生姜など体を温める食材を摂る

などです。

おすすめの飲食

ダウンタイム中の内出血には体を温める飲食が効果的です。
先述の冷え性とも関連しますが、血流が停滞すること症状が長引く結果となるので、できるだけ避けたいものです。
そこで、体を温めてくれる食材や飲み物を紹介します。女性の皆様が好む意外なものが意外な結果につながることもあるます。

体を温める食材

体を温める食材として根菜などは一般的に認知されていますのでご存知かもしれません。
その他のおすすめ食品として、発酵食品があります。発酵食品は腸内環境の改善や血流の改善を促しますので、結果的に体を温める働きをしてくれます。
飲み物ではココアもお勧めです。ココアに含まれているテオブロミンが末梢神経を広げて血行が良くなり、体温が上昇が期待できます。

体を冷やす食材

逆に体を冷やしてしまう事で避けたい食べ物や飲み物は下記です。
体温を下げる食材として、夏野菜(きゅうり、なす、トマト)が有名です。

その他キャベツ・レタスや、意外と思われるのが「白砂糖」などが含まれる洋菓子です。
白砂糖
白砂糖は血糖値の急上昇を引き起こし、インスリンが分泌されて正常値へ近づきます。
グリコーゲンスパイクと呼ばれる血糖値の急上昇&急降下でインスリンが働きますが、この際一緒に体温も下がってしまいます。
インスリンが多いと脂肪が燃焼しづらくなることもあり、結果的に体温を下げてしまいます。

禁止するほどではありませんが、普段から多く摂取する場合には意識して別のものに置き換えることで改善が期待できます。

いくつかの方法があるので、無理なく自分に合ったものを行いつつダウンタイムを乗り切りましょう!

「内出血」に関するお悩み相談

術後1週間たっても内出血が治らないのですが失敗なのでしょうか?

内出血は一般的に1週間〜10日ほどがピークです。

現在術後1週間とのことなので、一番派手に症状が出ているのかもしれませんね。個人差はあるものの、ほとんどの場合、約2週間前後で目立たなくなるくらいまでに回復します。ご不安かもしれませんが、もう少し様子をみてください。なお、太ももなど下半身は、上半身よりも内出血が長引く傾向にあります。加えて重力の影響で術部より下方に出やすいため、その範囲は膝のあたりまで及ぶこともあります。こうした知識も知っておいていただけると、安心材料になるかもしれません。

脂肪吸引後の内出血の症状は、高齢だと重くなるのでしょうか?

健康状態に問題がなければ、年齢によって内出血が長引くということはありません。

個人差がありますが、多くの場合2週間程でおさまります。内出血をすぐに消すことは難しいですが、血行を促進させることで多少緩和されます。「湯船にゆっくりつかる」「幹部を冷やさない」「マッサージをする」など、地道なセルフケアを心がけてください。ただし、術後7日間は術部を強く揉むことで症状が周辺へ広がる可能性があります。この間は激しいマッサージは控え、アイシングで術部を冷やすことが効果的です。

脂肪吸引後の内出血は、運動をするとひどくなりますか?

術後2週間の運動は控えることをおすすめします。

運動によって全身の血流が良くなって、内出血の程度がひどくなったり、治るまでの期間が長引いたりする可能性があるからです。しかし絶対に激しく動いてはいけないという訳ではなく、仕上がりにも運動による影響はほとんどありません。なお、術後3日間は内出血を最小限に抑えるために圧迫を行うので、この間、運動をすることは物理的に難しいでしょう。その点はご留意ください。術後2週間以降は、運動することで血流が改善し、栄養が術部に送られて内出血やダウンタイムが緩和されます。よって、早期の回復に効果的と言えるでしょう。

お尻の脂肪吸引後、内出血が膝丈のスカートから見えてしまうのではないかが不安です。

内出血は重力の影響で術部より下方に出やすいですが、お尻の脂肪吸引の場合は、太ももあたりが一番強く、そこから徐々に薄れていくような形で現れることがほとんどです。

さらに、術後にサポーターで圧迫固定することで、内出血の範囲がさらに少なくなります。内出血が術部より下に現れたとしても、膝丈のスカートであれば十分隠すことができるのでご安心ください。

脂肪吸引完成までのタイムライン